地区予選も終わり、甲子園が高校生の歓声でわきあがる夏がやってきます。

毎年のことながら、このすり鉢状のサウナ状態の中で元気に走り回っている高校球児を見ると、我々大人も

「負けちゃおられん、がんばらにゃ」

という気持になりますよね。
高校野球って、気持を高揚させるビタミンみたいな存在です。


ところで、甲子園に出てくるくらいの選手って、やっぱり野球がとてつもなく上手いわけです。
天性のセンスもあるかもしれませんが、上手くなった背景には、
人が遊んでいる時にも必死で練習していたという努力
があって、だから甲子園にまで出場できるくらい野球が上手くなったわけです。


高校球児だった人ならわかると思いますが、特に野球が上手くなりたい!バッティングが上手くなりたい!と思っていた人は、どんな練習してました?



素振りを1日に1000回?
走りこんで下半身強化?
バッティングセンターに毎日通う?




いろいろとあるでしょうが、これらの練習方法って、野球部なら皆がやってることじゃないですか?
皆がやっている練習で、ライバルと差をつけるためには、【天性のセンス】か、【ライバル以上の練習量】の勝負になっちゃいますよね。



ひしめくライバル達から一歩抜きん出るためには、人と違った”視点”で練習することが必要になります。

その視点とは、

動体視力を向上させること 

です。



バッティングは、”ボールを正確に目でとらえる”という行為が一番初めにくるんです。
ボールを目が正確に捕らえなければ、バットの芯でミートすることなどとうてい不可能。


バッティングにおいては、ボールを目で正確に捉えることが一番で、その次に素振りで身につけた正しいフォームで打ち返す、という行為があるわけです。



投手が渾身の力で投げたボールは、高校球児といえど、120キロ〜140キロくらいのスピードでバッターに向かってきます。
それを0.1秒以下の一瞬の判断でストライクかボールかを見極め、バットの芯に正確なタイミングで当てて打ち返す事ができてこそ、ヒットになるんです。



動く物体を正確に捉える目、それが動体視力ですが、そこを通り越して皆、身体的訓練である素振りばかりを繰り返す練習をしていませんか?


動体視力は、他のスポーツにおいてはかなり重要視され、動体視力の向上のための練習メニューなども取り入れるスポーツが多いのに、野球においてはあまり重要視されているという話を聞きません。



元ダイエー監督の王さんは現役時代、時間があればいつもブルペンに足を運び、投手の投げるボールを間近で見て動体視力の訓練をしていたそうです。

監督になってからも、「最近のバッターは、ブルペンに出かける事をしない。ボールを見る眼力を鍛えることをしない。」と嘆いていました。




イチロー選手は小学生の頃から、父親の車に同乗したときは、対向車のナンバープレートを一瞬だけ見て、その数字を瞬間的に足し算する練習をして、動体視力を鍛えてきたそうです。



バレーボール日本代表選手は、コートでの練習メニューとは別に、一瞬だけライトが光ってその光にタッチする動体視力訓練ボードでの練習メニューもこなしています。



格闘技の選手は、動体視力とフットワークが同時に鍛えられやすい卓球を、練習に取り入れる人が多いです。
格闘技の選手に卓球が上手い人が多いのは、そういった背景もあるからです。




野球はどうでしょうか?
動体視力の重要性に気づいている指導者がいるでしょうか?


そして、動体視力の重要性に気づいて練習に取り入れようとするプレーヤーが、はたしてどれくらいいるのでしょうか?



身体能力の向上に伴い、高校生でも140キロ以上のボールを投げる投手は、今後増え続けるでしょう。
スピードボールに対応するためにも、他のスポーツのように、動体視力の重要性を真剣に検討する指導を行っても良いと思うのですが・・・。